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対談:橋本忠昌氏×中西研二 時代が大きく変わる混乱期だから無添加の食料生産基地を

大手製薬会社の研究員から一転、塩の重要性を世に広めるために「(株)皇帝塩本舗」を設立。エネルギッシュに活動されている橋本氏から、「食」を中心とした今後来るべき新しい時代へのヴィジョンを垣間見ることができました。
人の体を作るのは毎日の食事から・・・。そんな当たり前のことが見過ごされる時代だからこそ、橋本氏の生き方に共感する人が多いのではないでしょうか。

時代が大きく変わる混乱期だから無添加の食料生産基地を

株式会社皇帝塩本舗 橋本忠昌氏×中西研二

橋本忠昌(はしもと・ただまさ)●1961年熊本県宇土郡三角町生まれ。地元の高校を卒業後、東京農業大学に入学。小学5年の時にテレビで見た協力隊番組に感化され、その思いを持ち続け、60年度2次隊で念願の協力隊に。帰国後、母校の大学院に進学し、卒業後(株)エーザイに入社しミネラルの研究に従事する。その後、平成6年に独立(株)皇帝塩本舗を設立。

中西研二(なかにし・けんじ)●1948年東京生まれ。NPO法人『JOYヒーリングの会』理事長。有限会社いやしの村東京代表取締役。ヒーラー。ワンネスディクシャインストラクター。新聞記者、セールスマンなどさまざまな職業を遍歴の後、1993年に夢の中でヒーリングを伝授され、以来15年間で16万人を超える人々を癒し続けている。また、2004年9月にワンネスユニバーシティでワンネスディクシャという手法を学び、以来、この手法を通して、多くの人々がワンネスの体験を得る手助けをしている。著書に『そのまんまでオッケー!』『悟りってなあに?』(共にVOICE刊)がある。

きっかけは「体質の差」への疑問

中西 「(株)いやしの村」も昨年10周年を迎え、その間に最も会員さんたちに親しまれて愛用されてきた商品が「皇帝塩」ですが、その販売をされている橋本さんとは、「(株)いやしの村」発足以来、ずっとお付き合いさせていただいています。

私もいままでいろいろな塩に出会ってきましたが、皇帝塩ほどいい塩に出会ったことはありません。本当にありがとうございます。

橋本さんが、塩に注目したきっかけはなんだったのですか?

橋本忠昌氏

橋本 この皇帝塩に出会ったころ、私は大手製薬会社の研究員で予防医学を研究テーマにしていました。当時の医薬界の常識として同じ症状で同じ薬を使っても効果が異なった場合「体質の差」で片づけられていたのですが、いろいろ調査したところ問題は体質ではなく、添加物の摂取などによる食生活の違いなのではないかと気づいたのです。

「医食同源」という言葉がありますが、薬が効くような体作りが大切なんですね。そこで添加物はなぜ食品に使われなければならないのかというところに立ち戻ったところ、初めて塩が原因だということがわかったのです。

減塩することによって日持ちが悪くなりますから防腐剤を使い、防腐剤を使うと味が悪くなりますから化学調味料を使い、色も悪くなりますから着色料を使い、PH調整剤を使いと、さまざまな添加物が使われることになったのです。

そこで減塩しなくてもいい塩を見つけようじゃないかということでたどり着いたのが皇帝塩だったのです。皇帝塩は海水をセラミック塩田で天日干しして結晶した塩ですので海水中のミネラルがそのままの形で残っていて、人体の体液と非常に近いのです。精製したり、人工的な熱を加えると体液から離れてしまいますから。

中西 塩が重要ということに気づき、皇帝塩に行き着くまでの道のりはどうでしたか?

橋本 皇帝塩にたどり着くまでに日本中の塩を調査しましたが、なかなか思うような塩が見つかりませんでした。

原因は日本周辺の海が汚染されていたからです。当時の農林水産省は、食塩について「海水を濃縮して塩を作ると汚染物質も濃縮してしまう」と密かに発表しています。それで当時の専売公社は電気分解によって塩を作っていたのです。そういう状況なのに日本全国の塩生産業者を調べても汚染物質の分析をしているところが皆無だったのです。そこで、日本の海水による塩では駄目だということで漢方薬ルートで中国から輸入したのが皇帝塩だったのです。

皇帝塩は漢方薬ルートによる中国からの輸入品の中でも唯一汚染されていない塩でした。

中西 海水が汚染されていい塩が取れないというのは悲しい現実ですね…。橋本さんは農林水産省からの委託で有機JAS規格の検査員もされていますよね。その活動も皇帝塩からの流れなのですか?

橋本 皇帝塩の次に、添加物を一切使わない加工食品を追求していこうといろいろ調べたところ、いくら加工の段階で無添加といっても、原材料の段階で農薬を使用しているという問題に突き当たったのです。

2000年に農林水産省は有機農産物と有機加工食品の規格を法律で定め、第三者機関を現場に派遣してチェックさせ、基準を満たしているものに「有機JASマーク」を与えるというシステムを導入しました。

それまでは無農薬栽培といっても「自称」がほとんどで、チェック機構が何もない状況でした。私はもともと疑い深く自分で現場をみないと気が済まない性格ですから自ら第三者機関としてチェックする側に立ったのです。この格付けや表示が適正に行われているかの調査は帳簿から資材倉庫のチェックまで徹底的に行います。そうして初めて有機JASマークが付けられるんですね。このチェックは認定した後も毎年に行います。

仮に違反が見つかった場合は違反業者の同意なく即公表され、1年以下の懲役または100万円以下の罰金、法人の場合は1億円以下の罰金が科せられます。同時に有機JASマークの認定は取り消されます。

これぐらい厳しい状況のもとで、さらには自分の目で確認した安全な原料だけを使用して、ようやく化学添加物を一切使用しない食品を販売することができたのです。

この認定制度には加工食品も含まれていますから加工の段階でもチェックしています。最近騒がれている偽装表示問題ですが、そういう現状も含めて、だからこそ第三者が厳密にチェックすることが大事なんですね。消費者はきちっとした証拠がないと不安ですから、私は皇帝塩が汚染されていない証拠である分析表をつけるようにしているんです。

「安全性」へのギャップ

中西 橋本さんの徹底した姿勢はすごいですよね。

食品添加物を必要とする裏側には安いコストで利潤を生まなければならないという社会の仕組みがありますよね。

JAS法は「安全性」の名のもとに生まれた法律ですが、偽装表示問題など、それをかいくぐろうとする動きも生んでしまった。結局どちらも競争社会が生み出したものなのですね。

橋本 流通形態が変わってきたことも問題を生んでいますね。

例えば消費段階でキャベツに青虫が一匹出てきたことで流通業者から「虫の付かないようにもっと厳しく生産管理を良くしろ」と生産業者へ送り返されたというのです。すると生産業者は農業の現場に「もっと農薬散布をしろ」といってくるのです。

いくら自然派志向で有機栽培が注目されているとはいえ、ひとたび消費者からクレームがくれば大資本の流通業者のいいなりにならざるを得ないのです。

中西研二

撮影/染谷育子

中西 消費者指向である流通業者にとってはクレームのつかないきれいで見映えのいい野菜を提供したいわけですね。

流通業者にとっての安全性とは企業の経済性においての安全性なのです。安全性には消費者と企業の間にそういう解釈の違いがあり、このギャップは大きいように思いますね。

橋本 安全性で売っているある消費者団体の担当者に「おたくは防腐剤使わないの? それじゃ日持ちがしないから扱えない」といわれたのです。ひとたびカビの生えた物を出してしまうと生産者は全商品を自費回収し詫び状を書かなければならないそうです。そこで売っている商品には確かにどの商品にも添加物が入っているんですね。

でも商品には何を使ったか仕様書をつけるので、その団体が直接クレームを受けないように責任回避するシステムになっているのです。

中西 リサイクルの問題でも考えさせられるのですが、何か消費者の気持ちと現場がズレていますよね。

橋本 私はこういうズレは大きく変わる前兆だと考えているんです。だから良くなる方向へ自分で変えなければいけない。

これからくる時代への準備のために

中西 根本的な食の基本を研究され皇帝塩に行き着き、そこから添加物と真剣に取り組み、常にエネルギッシュな橋本さんですが、次の目標はどこに向かっているのですか?

橋本 いままでは生産から加工まで、つまり消費者に手渡す一歩手前まで間違いのない物を作るということをやってきました。

もう一方で、生産基地を作ろうとずっと準備し、やっと動き出したところです。いまの世界情勢の中で環境問題が問われていますが、そうなると当然食料危機が来ますよね。

中西 当然来ますよね。これだけ人口が増加しているわけですからね。

橋本 日本の自給率は4割しかありません。なにかあったら日本国民全員は助けられない状況なのです。ですからできる限り生産基地を各地に作ろうと、今根回ししているところです。

今では農家の仲間が増えてきました。最近は畑や田んぼが空いている状況なのでそれを借りて作るのです。農家はお年寄りが多いですが若い人にも参加してもらっています。

無農薬の価値が分かる人に有機JASマークのついた野菜を宅配するということを始めています。

中西 そこで作られた農作物で加工食品なども作られているのですか?

橋本 例えば、ある時会員さんに「おからクッキーはできないの?」と言われて作ってみたところ大変良い結果がでました。市販されているおからクッキーにはけっこう添加物が入っているんです。膨張剤が入っているので満腹感はあるのですがこれでは痩せません。皇帝塩のおからは生のものを使用しているので膨張剤はいりません。ダイエット効果もあります。無添加で卵も使っていないのでアレルギーの人にもいいですよね。妊婦や子どもにもお勧めです。

他にもパンなども地元熊本産の小麦を使用して作っています。野菜などはカレーなどに加工し、冷凍・真空技術を使って保存できるようにしています。

そういう具合に消費者のニーズに応えながら商品を作っていき、ストックできるような商品を増やしていきたいですね。学生の頃から21世紀はスピリチュアルな時代が来ると考えていて勉強していたんですが中西さんと出逢って確信に変わりました。アフリカでの体験があるんですが、身体の細胞の波動が繊細でないとスピリチュアルな世界に入っていけませんし、無理に入ったとしてもとても居心地が悪くなります。繊細な細胞を作るためには繊細な「土」から無農薬・無化学肥料で栽培した作物を化学添加物を使わないで料理して食すのが基本です。私の使命は繊細な「食」を「気付いている方々」にご提供することだと思っています。

そのためにも農地を確保して無農薬・有機栽培の作物を生産し、生の野菜とその加工品を供給できる体制を確立するために頑張っています。

中西 橋本さんのお話はしっかりと地に足の付いた仕事をされている上でビジョンを構築されておられるので、非常に説得力がありますね。

利益に走らない経営

中西 普通、食生活の基本は「米」だといいますが、私は皇帝塩に出会って以来、ずっと食生活の基本は「塩」だと思っています。

日本人が戦前、なぜあのようなしっかりした体を持ち粘り強かったか、それは「良い塩をたべていたからだ」という気がするんです。しかし戦後、塩の質が悪くなりすべてのことが悪くなったような気がします。期せずして、「塩は高血圧の原因になる」とアメリカの学者の説が宣伝され、減塩とそれを補う添加物が氾濫してくるようになって…。そういう流れの中でどうしても「良い塩」に出会いたかったのです。皇帝塩に出会った時は「これだ!」と思い、ぜひ少しでも多くの人に使ってもらいたいという気持ちになりましたね。

橋本 私は皇帝塩で儲けようという気持ちは全然ないんです。お金は大事だと思いますが、皇帝塩でお金を考えたことはなかったのです。

中西 その考え方に私も同感です。「(株)いやしの村」という会社は不必要な利益を求めたり、競争して勝とうと思ったことは一切ありません。みんなが楽しんでできればいいですし、みんなに喜ばれた結果、利益が上がっていればいいわけです。競争が始まるとその先は偽装問題や添加物などの弊害が必ず生まれます。

橋本 人間は土から生まれて土に還るわけですから、「土を想い、土を大事にしたい」、それだけですね。

中西 いまは本当に食品添加物が氾濫していて、だからこそ自然派志向が注目されていて、それはすばらしいことですね。そういう意味では時代も追い風になっていますし、皇帝塩がますます社会で活躍するチャンスではないでしょうか。

有機農法を掲げている人はたくさんいましたけど、やり遂げられなかった時代があって、いまやっと橋本さんのような方が出てきました。これからいい時代になりますね。「(株)いやしの村」の会員さんたちにもどんどんいいものを食べていただきましょう。

今日はお忙しい中、ありがとうございました。(合掌)

関連リンク:皇帝塩本舗

「いやしの村だより」2008年2月号掲載

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