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対談:池川明氏×中西研二「人生の幸せは、胎内でのお母さんとのコミュニケーションで決まる」

「胎内で子どもはお母さんとのコミュニケーションを求めている。十分なコミュニケーションが母子の絆づくり、子どもの心の安定に役立つ」と提唱する「胎内記憶」研究の第一人者である池川博士。胎内環境がバーストラウマを生み、その後の人生に大きな影響を及ぼす。それは母子の問題だけでなく社会の問題、世界平和にまでかかわることになる。お産の現場でのお話を伺いました。

人生の幸せは、胎内でのお母さんとのコミュニケーションで決まる

池川 明 氏×中西研二

池川 明(いけがわ・あきら)●1954年、東京生まれ。池川クリニック院長、医学博士。帝京大学医学部大学院卒、上尾中央総合病院産婦人科部長を経て、池川クリニックを開設。胎内記憶の第一人者として知られ、母と子の立場に立ったお産と医療を目指している。著書『子どもは親を選んで生まれてくる』(日本教文社)は日本文芸アカデミー賞を受賞。他多数。

中西研二(なかにし・けんじ)●1948年東京生まれ。NPO法人『JOYヒーリングの会』理事長。有限会社いやしの村東京代表取締役。ヒーラー。ワンネスディクシャインストラクター。新聞記者、セールスマンなどさまざまな職業を遍歴の後、1993年に夢の中でヒーリングを伝授され、以来15年間で18万人を超える人々を癒し続けている。また、2004年9月にワンネスユニバーシティでワンネスディクシャという手法を学び、以来、この手法を通して、多くの人々がワンネスの体験を得る手助けをしている。著書に『そのまんまでオッケー!』『悟りってなあに?』『あなたはわたし わたしはあなた』(共にVOICE刊)がある。

子どもは、胎内でお母さんとのコミュニケーションを求めている

中西 私が長年ヒーリングをさせていただいて一番気になることは、多くの人にバーストラウマが出てくることなのです。病気の大半はそこにあるのではないかと思っていますので、今日は、産婦人科医として「胎内記憶」を研究されている先生にお会いするのをとても楽しみにしていました。先生はいつごろ子どもが胎内記憶を持って生まれてくるということに気づかれたのですか?

池川氏

池川 1990〜2000年にかけて、精神科医の友人に紹介された福島大学教授の飯田史彦さんの著書に出会ってからです。初めはそういうこともあるのかな、と。

で、いろいろな書物を読むうちに身近なところでそういう例が出てきて、だんだん自分の患者さんからもデータを取るようになったのです。でもデータが少ない。そんなときに保母さんを前に講演をする機会に恵まれ、アンケートをお願いしたら900人近いアンケートが集まり、驚いたことに34パーセントの人に胎内記憶があったのです。

こういう話は「そんなことあるはずがない」と否定されていたのですね。でもこのときはお母さんが子どもに聞いてくれたので出てきたのです。聞けば答えてくれる世界だったのですね。目の前にあるのに知らなかっただけなのです。

最初は胎内で「泳いでいた」「暗くてあたたかかった」「気持ちよかった」だったのに、聞いていくうちに過去生の記憶、さらに「空を飛んでいた」「親を選んできた」と中間生の記憶まで出てきたのです。それで分かったのですが、子どもたちは昔から言われている宗教や哲学で言っていることと同じことを言っているな、ということでした。

中西 宗教や哲学というと具体的にどういうことですか。

池川 例えば、「生きていくって、どういうこと?」と聞くわけですよ。すると「人の役に立つこと」と言うんです。それがブレないんですね。それから調和、愛、光という言葉をよく使います。自分は光だったという子もいますし、お母さんのおなかに入るとき光に導かれたという子もいます。

また調和を大事にするのです。夫婦仲の悪い親や離婚寸前の親に「それはダメ」というメッセージがあります。別れる寸前の夫婦に子どもができて離婚をやめさせたり、流産や死産を通して別れてはダメだと伝えたり、調和のため、平和のためには命をかけてやってくるんですね。

だから社会で起きていることも「ケンカをしちゃダメ」「戦争をしちゃダメ」ということを身をもって教えてくれているんだなということが妊娠、出産を通して見えてきましたね。

中西 それはどういう方法で伝えてくるのですか。

池川 一つの方法として自動書記がありますね。妊娠8カ月のときにお母さんを使って自動書記で伝えてきた子どもは「子どもの気持ちが分かりますように」とか「やさしく」とか「助産師さんはこういうふうにしてほしい」などとあらゆることを伝えてこようとしていました。

助産師さんがテレパシーを使えることが分かるとどんどんそれを使って意思を伝えてきた子もいます。子どもは懸命にお母さんとコミュニケーションを取る方法を探しているのです。こちらがアンテナを広げておくことが大事ですね。

中西 お母さんが妊娠中にそういうことを知っていれば、親子関係だけでなく社会も変わってきますね。

池川 そうなんです。お母さんも妊娠中は子どもと一体ですからコミュニケーションが取りやすいのかもしれません。しかし、出産し分離してしまうとだんだん子どもの気持ちが分からなくなってくるようなのです。「自分の産んだ子どもだからなんでも分かる」と思っていても実は分かっていない、ということを認識してほしいですね。

子どもの中には「お母さん運動が足りないよ」とか「あまり変なもの食べないでね」とか厳しいことを言う子もいれば、「お母さんが好きならお酒飲んでもいいよ」と寛容な子どももいます。お母さんが変なものを食べると羊水も濁って臭くなるので、子どもは懸命にお掃除するんですね。

中西 こういう話をぜひ妊婦さん、助産師さんに知ってほしいですね。

 

胎児に意識はあるの?

中西 西洋医学的には「胎児の意識プログラム」について認知されているのですか?

池川 科学者としてはまだそれを認めていないのです。西洋医学的には意識は脳の作用だとしているのです。ところが胎内で脳はまだ完成していませんからね。解剖学的には3歳ぐらいで心ができると言われているのです。

中西 確かに3歳ぐらいで自我が確立されるということはありますが…。

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池川 「見る」とか「聞く」といった感覚的なものは物理的法則に従って判断しますから、そうなると胎児はまだ網膜が完成していませんから見えるわけがないと判断されるのです。

でも先ほどから話していますように、子どもたちは胎内でいろいろな物を見ているし、覚えているし、妊娠10週でまだ3センチぐらいの胎児が、検査でお母さんに針を刺して怖かったという記憶があるのです。脳がまだできていないのになぜ記憶しているのかということになります。ですから、胎児に意識が「ある」を前提とするのか、「ない」という立場を取るのかで結論が全然違ってきますね。

現場で赤ちゃんを見ていると動くものを見て追視をしているし、それを認識していることも表情で分かるんですが、それを見ていない人には分からない。だから教科書にも書いてない。私たちは医学者ではありますが、患者さんたちに良い子育てをしてほしいですから、教科書にない知識を使って、医学ではない世界で広げていかなければならないかなと感じているんです。

中西 でも、そういう視点で子どものこと、出産のことを考えてくれている産婦人科の先生がいらっしゃるだけでも心強いですね。

池川 医科大学に一人でもそういう考え方の先生がいて、その下で働く人たちも理解して出産に当たっていただければ、日本の社会全体の意識もだいぶ変わってくると思うのですが。

中西 そうなれば世界も変わってくるでしょうね。

池川 でも、なかなか手強い(笑)。

中西研二

中西 私は日ごろから「愛情深く育てる」ということを言ってきていますが、子どもはただただ受け身で育っていますから、自分が受けたことしか記憶にないのですね。ですから、あなたがどんなに素敵な存在か、どんなに貴重な存在かを伝えることが大事です。それには胎内の子どもへの愛情、それからお母さんが癒されていることが大事ですね。だから「できちゃった結婚」なんかとても危険です。

池川 「できちゃった」で喜ぶ方もいますが、中絶手術など考えたら、それはトラウマになりますよ。

中西 私のワークショップに参加された女性の例ですが、母親に対して「あんた」としか呼んだことがないというのです。ワークショップを進めていくうちに自分の胎内記憶が蘇って、次の瞬間、母親に電話をし「あんた、私を殺そうとしたでしょう。この人殺し!」と叫んだのです。

母親は好きでない人の子を身ごもり「この子さえいなければもっと自由に生きられるのに」と2度流産を試みたそうです。その子は初乳のときおっぱいを押し返して飲まなかったのに、隣のベッドのお母さんが授乳させるとむさぼるように飲んだということでした。ずっと母親を拒絶していたのですね。

そういうことがあることを世間の人はもっと知っておいたほうがいいですね。

池川 ですからいつも心を掃除しておかないと子どもに全部伝わってしまう。「普段の生き方をきちんとしろよ」と子どもは伝えにきているんですね。

 

お母さんの気持ちが子どものトラウマをつくる

中西 帝王切開や陣痛促進剤で出産した子は、それがトラウマにはならないんでしょうか。ある女性の例で、予定日を過ぎても陣痛が来ないので帝王切開や陣痛促進剤を使おうということになったそうです。

アドバイスを求められた私は「夕方までに出てこないとおなか切られちゃうよ」と胎内の子どもに伝えてもらったのです。するとまもなく陣痛が始まったのです。逆子の場合も同じで、話しかけたら自分でクルッと元に戻ってしまいました。

池川 その話、よく分かります。私も帝王切開はトラウマを残すと思っていたのですが、しかし、帝王切開した140名で調べると、お母さんが「帝王切開のお陰でこの子は助かった」と思えば子どもの記憶にトラウマが残らないのです。

ところが「理不尽な手術をされた」と思えばトラウマになる。医学的にみて安産だったとしてもお母さんが難産だったと思えば、子どもにとってそれはトラウマとして残るのです。だから手術のときに「明るいところに出るけど驚かないでね」と話かけておくと衝撃が少ないみたいですね。

中西 それは非常に大事なことかもしれませんね。

池川 だからどんな産み方であっても、お母さんがそれを受け入れておけばいいのではないのでしょうか。

ただ、吸引分娩をしたときに、こんなことがありました。その子どもは出産後1時間も泣きやまず、最後は泣き疲れて眠ってしまったのです。どうもそのときの顔が、「余計なことをして!へたくそ!」と言わんばかりなのです。

1カ月後にまた同じようなことがありました。前の子どもに怒られたので、今度はお母さんのおなかに手を当てて、「苦しそうだけど、どうする?」と聞いてみたのです。するとその子は「手伝ってもいいよ」という言い方をするのです。

結局、前の子どもは自力で産まれることができたのに吸引をしたので怒っていたのですね。今回は自分で産まれたいんだけどやっぱり自力では無理だった。だから「最後はちょっとお手伝いして」ということで手伝ってあげたら、私の顔を見て「ありがとう」って伝えてきました。それからは、「子どもに聞いてからやらないとまずいぞ」と思うようになりましたね。

中西 やっぱり声をかけてあげることが大事ですね。

池川 それから、生まれたらすぐにだっこしてあげてほしいですね。30分、できれば2時間は一緒にさせてあげたいですね。

中西 でもいまだにだっこさせない病院が多いようですね。

池川 そうそう。だっこさせる病院も、赤ちゃんの気持ちも考えず「じゃあね、さよなら」とすぐに連れて行ってしまう。お母さんと肌を付け合わせることで副交感神経が働いて気持ちが落ち着き、気管が開いてくるので呼吸も楽になります。そういう状態のときに初めて赤ちゃんに、「体重測ろうか?」などと聞いてからお母さんと離してあげてほしいですね。

中西 私は生まれてから6時間が一番大事だと思っているので、この時間はお母さんと一緒にいたほうがいいですね。こういうことは妊娠前から知っておいたほうがいいですが。

池川 中学生のときから子どもをつくることがどういうことなのか教育したらいいですね。あの年ごろの子は感性が優れているので、赤ちゃんをだっこするだけでいいのです。それだけで母性が目覚めるのです。今は赤ちゃんをだっこしたことがないまま出産をする人がたくさんいるんですよ。

中西 アフリカのサン族は、お母さんが子どもを片時も離さずだっこしているようですよ。親子関係の親密度がすごいですね。

池川 それを日本でやるのはだいぶ難しいですが、少なくとも子どものことを知っていてやらないのと知らずにやらないのとでは全然違いますからね。

 

トラウマがなければ、社会はもっとよくなる

池川氏

中西 世界が平和になるかならないかは子どもの育て方にかかっていますね。

池川 日本の社会がこれだけ悪くなってしまったのは子育てとお産のときの対応が悪いからですよ。胎内の子どもともっとコミュニケーションを取っていれば、日本の社会はもっと良くなります。

生まれてからでは遅いのです。生まれたときはすでにトラウマが完成していますから。「生き死に」のトラウマにしてしまうと自死に至ることもありますから。

中西 おなかの中で自殺しようとした人もいて「生まれてくるべきではなかった」とずっと思っていたといいますからね。

池川 でも、そういう子どもたちも親を選んでいるはずなんですね。ある女性は、お兄さんが殴ったり蹴ったりされているのを見て、「そんなことをしてはいけないよ」と伝えるためにおなかに入ったのですが、やっぱり荷が重すぎるからと、生まれるのをやめようとしがみついていたそうです。だけどどんどん押されるようにして生まれてしまった。生まれてからは虐待の経験しかないので、自分の子どもにも同じように虐待をする。

ところがあるとき、子どもの写真を見ていると、自分のことを哀れむような悟りきったような澄んだ目をしているのを見て、はじめて自分の行為に気づいたそうです。それで子どもに謝ったそうです。すると子どもは「お母さんはこういうやり方しか知らなかったんだものね」と。「でも今、それが分かったんだから、もうやってはだめだよ」と。すごいなあ〜と思いました。

中西 胎内教育は今たいへん興味を持たれているのですが、それはただ成績優秀な子どもにしたいというだけなのですね。本当は胎内で子どもが何を欲しているのか、そのことをよく聞いてあげることが大事なんですね。

池川 そうですね。ぜひトラウマをつくらないように胎内の子どもと十分コミュニケーションをとってほしいですね。そうすればその子の人生が楽になり、一人一人みんなが楽になれば世界は平和になりますからね。

中西 貴重なお話をありがとうございました。

「いやしの村だより」2008年10月号掲載

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