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対談:丸井英弘氏×中西研二 日本古来の麻文化を復活させ、日本人の誇りを取り戻しましょうよ

戦後、GHQの占領政策として成立した大麻取締法。その矛盾点に気づき、当初は人権問題として取り組んできた丸井弁護士。ところが、自ら麻を着用することにより、日本の石油依存社会への変貌、そして民族意識喪失という日本人の根源にかかわる問題が生じたのだということに気づき、「みんなでもっと多くの麻を使うことによって法律の緩和を促しましょう」と提唱します。大麻取締法成立のいきさつから現状、また大麻の有効性などを伺ってみましょう。

日本古来の麻文化を復活させ、日本人の誇りを取り戻しましょうよ

丸井英弘氏×中西研二

丸井英弘(まるい・ひでひろ)●弁護士。1944年愛知県名古屋市生まれ。国際基督教大学および東京教育大学卒業。人権保護と環境問題に対して、法的側面から貢献したいという思いから弁護士となる。75年から現在まで多くの大麻取締法違反事件を担当し、一貫して大麻を刑事罰で規制することの不合理を訴えてきた。自然生態系に沿った自給自足型の社会が本来の日本社会であり、伝統的な麻産業を現代に復活させることにより、石油や木材を輸入する必要もなくなり、自然環境も急速に回復するとの考えから、大麻取締法の廃止が弁護士としての基本的な任務だと確信するに至る。大麻についての誤解や偏見を与える情報を是正し、大麻すなわち麻の有効利用を促進するための正確な情報提供を行うために精力的に活動している。
HP「麻と人類文化」
http://www.asahi-net.or.jp/~IS2H-MRI/

中西研二(なかにし・けんじ)●1948年東京生まれ。NPO法人『JOYヒーリングの会』理事長。有限会社いやしの村東京代表取締役。ヒーラー。ワンネスディクシャインストラクター。新聞記者、セールスマンなどさまざまな職業を遍歴の後、1993年に夢の中でヒーリングを伝授され、以来15年間で18万人を超える人々を癒し続けている。また、2004年9月にワンネスユニバーシティでワンネスディクシャという手法を学び、以来、この手法を通して、多くの人々がワンネスの体験を得る手助けをしている。著書に『そのまんまでオッケー!』『悟りってなあに?』『あなたはわたし わたしはあなた』(共にVOICE刊)がある。

大麻取締法の矛盾

『地球維新 vol.2 カンナビ・バイブル』

『地球維新 vol.2 カンナビ・バイブル』
著者/丸井英弘・中山康直
発行/明窓出版

中西 最近、大麻の所持・栽培などで相次いで逮捕者が出て話題になっていますね。メディアの対応も神経質ですが、私の知っている大麻はそんなに危険なものではないという印象なんですね。丸井さんは弁護士としてもう30年以上も大麻と取り組んでいらっしゃいますが、丸井さんにとって大麻取締法とは何なのでしょうか。

丸井 私は敗戦一年前の昭和19年生まれです。胎内にいたときがいちばん戦争の激しいときで、名古屋の空襲で家を焼かれ、防空壕に避難した記憶があるのです。自分の人生は戦争末期の爆撃の恐怖の記憶から始まっているんですね。それから表面的には平和でしたが新たな経済戦争、また他国では民族間の紛争がずっと続いてきているわけです。

そうした紛争の連続の中で育って私が法律家を目指したのは、日本国の憲法理念に共鳴したからです。憲法には幸福権の追求や平和主義、人民主権、職業選択の自由など、国民の生活を守る基本的な条項が記述されています。そのような法体系の元で人の役に立てればいいと思ったわけです。

私が学んだ刑法理論は、住居侵害、窃盗、傷害などから市民の安全を守るために刑法があるというものです。しかし、大麻取締法違反事件では被害者が存在しません。そして、根本的な問題として大麻取締法には立法目的が明記されていません。そこが法律家の素直な目で見て納得のいかないところで、私がこの問題に取り組む原点になったのです。

 

大麻取締法は占領政策の一つ

中西 大麻取締法は昭和23年に成立しているんですね。

丸井 昭和20年8月15日に日本が敗戦になり、その10月に出された「GHQ(連合国軍総司令部)のメモランダム(覚書)」によって大麻の規制が始まったのですが、大麻産業は日本の重要な産業の一つでしたから、当時の日本政府の官僚が大麻規制にはものすごく反対していたようなのです。それで大麻取締法の制定が昭和23年までかかったのでしょう。

中西 どうして占領政策に取り上げられたのですか。

丸井 戦後、石油製品を日本に押しつけたということが第一じゃないでしょうか。そうするには麻が邪魔だったのでしょう。麻は多くの分野で有効利用でき、十分に石油化学産業の代替が可能ですから。結局、アメリカの石油化学産業と木材・パルプ産業の利権だと思いますよ。

もう一つ、麻は神事や祭事でたいへん重要な役割をもっているのですが、その日本古来の麻文化を否定し、日本人にとって罪・穢れを払うものとされてきた大麻使用を犯罪とすることで、日本人の精神文化の転換を図ろうとしたのではないでしょうか。

中西 なるほど。すごい意図があったのですね。大麻取締法に取り組むきっかけが、何かあったのですか。

丸井 私にとって一番最初に受任した事件が昭和50年、大麻所持で逮捕されたアメリカ人の青年の弁護で、日本人のガールフレンドが相談にきたのです。そのときに一緒に来た人が、後に『ホピの予言』という映画を作った宮田雪監督だったのです。そのあと、宮田さんはアメリカへ渡ってネイティブインディアンの平和行進に参加してホピ族と出会い、彼らの居住地の地下に埋蔵されているウランによって原爆がつくられ、それが広島・長崎に落とされたということを知ったのです。しかもそのことは「ホピの予言」として民族の間で伝承されていたのです。宮田さんは「これはぜひ日本に帰って知らせなければ…」ということであの映画ができたのです。

だから私は、最初からこの大麻取締法が日本の敗戦と占領、敗戦の原因になった原爆、それらが密接に関連していると感じています。はっきり害があると分かっているのに保護されているウランと、害があるかどうか分からないのに、むしろ有益なために規制されている麻。この非常に対照的な二つのものが私の中でかかわりを持ち、大麻取締法に取り組む出発点になっています。

中西 大麻の栽培は許可を取ればいいということですが…。

丸井 当初、日本政府は農家の麻産業を守る立場だったのです。日本から大麻がなくなるということは日本人の生活が完全に奪われますからね。特に農家の場合は自給自足経済を支えるものだったんです。ほとんどが自分のために作っていたんですから…。なのに法律でつくってはいけないとなると生活できないわけですよ。そこで政府はGHQに交渉して、結果的に免許制度になったんです。基本的には(繊維としての)種と茎の利用、これについては免許を出すという形になったのです。だから申請があれば原則的に免許を出すという法律になっているのですが、ただ行政指導で神事や伝統的なものであることなどの規制がいろいろあるのです。

 

石油より優れた大麻の有効性

丸井英弘氏

中西 その規制があるから、なかなか許可されないのですね。

丸井 厚労省(現)の方針です。しかし、県知事が許可すればいいのです。明治政府がとった政策の名残りで、北海道には野生の大麻が100万本以上生えていますから、理解ある人が北海道知事になればいいと思っているんですよ。

大麻は、針葉樹林の10倍と言われほど二酸化炭素を吸収します。ですから栽培すればするほど大気を浄化します。現在の状況では、それをわざわざ石油を使って燃やして二酸化炭素を出している。逆なんですね。北海道知事が発想を転換すれば、現状でも100万本の大麻を回収して有効な資源とする政策がとれるんですよ。

その資源の一つは種から採るものです。大麻の実は栄養価が高く、油も非常に良質ですから、食用としても有効です。ディーゼルエンジンの燃料にもなります。この燃料は硫黄分が含まれていないので環境にいいのです。

茎は7割がセルロースですから、ダイオキシンを発生しない紙、建築材料、さらに土に分解可能なプラスチックができます。

今後の研究課題は、大麻の茎や葉を発酵させることによってエタノールを精製して燃料(バイオマス)にすること。バイオマス燃料は生育過程で二酸化炭素を吸収するので地球温暖化を抑止するのにたいへん有効な働きをします。また花穂は医療用としても使えます。だから麻を十分に活用すれば、大きな産業になるはずですよ。関連産業をどんどん起こせば雇用だってかなり生み出せますから、新しい産業革命になるはずです。これからは自給自足を保障する政治体制にしなければならない時代ですから、明治政府のように国家が奨励し、大麻を自由に扱えるようにすることが急がれますね。

 

日本人のライフスタイルを変えた大麻取締法

中西 そういう側面から考えると、石油より大麻を利用したほうがはるかに人類の平和目的に叶いますね。

丸井 そうなんです。私は最初、大麻に関する裁判を人権問題として扱ってきたのです。ところが4年ぐらい前、自分が麻ふんどしを着けるようになってから、大麻取締法の本質に気づいたのです。もともと日本人のライフスタイルは麻や植物と共生するものだったのです。それを奪ったのが大麻取締法ではないかと。

文化の基本は衣食住にあり、衣の根本は下着(ふんどし)じゃないですか。ふんどしは腰、つまり自らの神さまがいるところを覆うものでしょう。神社で言えば御神体があるところですから、麻でなければならない。麻ふんどしを結ぶ、ほどくという動作が神聖なのです。それが石油製品のパンツをはくとなると、自らの神聖さ、誇り、尊厳、そういうものを失うことになりますね。だから性に対してゆがんだ意識を持つことになる。堂々としていない。パンツをはくという意識では堂々とできないんですよ。日本人の性意識をへんに歪曲してしまった。麻を身につけないから免疫力も低下する。病気になったら石油製品の薬を飲む。つまり基本的に日本人の体力を弱めて、そして医療(薬)に依存するように持っていく。さらに石油は戦争の利権となっている。競争社会を端的に表すのが石油依存社会だと思うのです。だけど石油を使えば環境はどんどん破壊されていきます。今、地球環境は極限にきているのではないかと思います。この根幹がやっぱり麻の製品を使わなくなったからだと思います。だから大麻の問題は単なる刑事罰では収まらない大きな問題をいくつも包含しているのです。それが下着を見ると分かるんですね。日本人はいつから麻ふんどしをはずしたのか、私はそこにいちばんの問題があると思うのです。

 

みんなで麻ふんどしを着けて、民族意識を取り戻そう

麻ふんどし

取りあえず、みんなで麻ふんどしを着けることから始めましょうよ(笑)

中西 そういえば、われわれのおじいちゃんたちは、みんなふんどしでしたよね。

丸井 だから、取りあえず、みんなで麻ふんどしを着けることから始めましょうよ(笑)。そうすることによって麻の需要が増え、麻産業が起こる。それだけでなく、精神的にも大きな変化が起きてきますよ。麻ふんどしを着けることによってまず健康になるし、丹田をいつも意識するので、自分というものに対する自信、自覚が生まれてきます。今盛んに日本人の自立、国家の自立、健康的な生活を取り戻そうと言っていますが、大麻を復活せずに石油を使っていてそんなことできませんよ。

中西 なるほどね。確かに麻は神聖な神事には欠かせないものですし、日本人の生活に密着していましたから、地名にもたくさん残っていますね。日本中、麻のないところがなかったんですから。日本は外国から「黄金の国ジパング」と言われていましたが、それは秋に麻が黄金色に輝いていたからだと言われています。それなのに戦後の占領政策で石油産業の売り込みと日本の国体を弱体化させるための大麻取締法がそのままになっていたのですね。

丸井 大麻を吸ったら幻覚が生じると言って日本だけでなく諸外国でも規制しているところが多いのですが、あれはアルコールや他の薬物と併用するためで、アルコールや他の薬物の弊害とすり替えているのです。そんな末梢的議論をしているときではないのです。

中西 バガヴァンの着ているものは麻なんですよ。神聖なものと交流するには麻はとても必要なアイテムなんですね。毎日着ていると非常にインスピレーションが高まってくる。そして精神性がどんどん高まっていって優しい文化が出来上がる、とバガヴァンがはっきり言っています。

丸井 ある意味、そういう人が増えると困る階層があるんですね。戦争社会、競争社会を保ちたいのですから。それでは戦争にも競争にもならない(笑)。でも、本当にみんなが望んでいるのはピースなのに…。

中西 なるほどね。そうなることを怖がっている人がいるんですね。怖がらなくていいよって教えてあげたいですね。みんな石油を使わないと言っているわけではなく、 麻を自由に使いたいだけなのですから。お互いに対立を超えて融合していければいい方向に向かうと思うのですが…。

今日はとてもいいお話を伺いました。ありがとうございました。

「いやしの村だより」2009年6月号掲載

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