トップページ > 特集 > 対談:野呂美加さん×中西研二 『微生物の力を借りて放射能対策を』

対談:野呂美加さん×中西研二 『微生物の力を借りて放射能対策を』

2010年3月に紹介させていただいた野呂美加さん。チェルノブイリ原発事故による放射能汚染地域の子どもたちを保養させる里親運動を、20年にわたり続けてこられました。長年危険な汚染地域を歩いてこられた野呂さんは、今回の福島原発事故をどのように見ているのでしょうか。また、汚染が広がる中で、私たちはどのように身を守っていけばいいのでしょうか。貴重なアドバイスをいただきました。
前回の対談はこちらをご覧下さい

微生物の力を借りて放射能対策を

野呂美加さん×中西研二

野呂美加(のろ・みか)●1992年、チェルノブイリ被ばく児童の救援活動をおこなう「チェルノブイリへのかけはし」の発起人として29歳より活動。18年間に日本に招待した子どもたちはのべ639名、汚染地域訪問は20回以上。2000年、玄米菜食のレストラン「葉」(札幌市)を始め、ケビンと出会う。昨年、閉店し、夫の仕事の手伝いのため27年住んだ札幌から北海道北見市に移住。次世代に残される放射能問題を少しでも減らす活動をライフワークとしている。平成17年外務省外郭団体国際交流基金より「地球市民賞」を授与される。
ホームページhttp://www.kakehashi.or.jp/

中西研二(なかにし・けんじ)●1948年東京生まれ。NPO法人『JOYヒーリングの会』理事長。有限会社いやしの村東京代表取締役。ヒーラー。ワンネストレーナー。新聞記者、セールスマンなどさまざまな職業を遍歴の後、1993年に夢の中でヒーリングを伝授され、以来17年間で20万人を超える人々を癒し続けている。また、2004年9月にワンネスユニバーシティでワンネスディクシャという手法を学び、以来、この手法を通して、多くの人々がワンネスの体験を得る手助けをしている。著書に『そのまんまでオッケー!』『悟りってなあに?』『あなたはわたし わたしはあなた』(共にVOICE刊)がある。

まだデータがない低線量放射能の影響

中西 2年前、本誌で野呂さんと対談したときはまさかチェルノブイリの知識がこんな形で生かされるとは思わなかったですね。

野呂 日本で原発事故が起きるなんて思いたくもなかったですからね。もうすでに福島の子どもたちをイタリアに保養に出す準備が始まりました。またスタート地点に戻された感じです。情報操作、風評被害、汚染された食べ物、子どもの健康…。そういうものをチェルノブイリでずっと見てきたわけですから、まるで過去と現在が同時進行しているようで恐ろしいです。

中西 チェルノブイリの事故から25年。その間野呂さんは現地の様子を見てきたわけですが、いま福島で起きている原発事故の健康被害などについてはどう思われますか?

野呂 被爆症状としてガンや白血病などが言われますが、そこまで症状が現れなくても、実は抵抗力が落ちて亡くなるケースがたくさんあるんです。そうなると放射能と関連付けるのが難しい。放射能とガンの関連性はデータとしてありますが、低線量による放射能の影響についてのデータはないんですね。発表されている放射線量の数値は「ここまでだったら死なない」というラインの話であって、低線量被爆については考えていませんから。

中西 政府の発表も避難勧告地域を狭めたり、放射線の基準値を緩めたり、内外に安全をアピールしていますが、実際のところは何も国民に知らせていない感じですね。

野呂 国は補償問題や経済のことを考えて避難勧告地域を20匏内にしているのだと思うのですが、放射能の害は子どもにまず現れます。ですから80劼ら100匏内の子どもたちは、人道的にも緊急疎開させないといけないレベルだと思います。

中西 福島に住んでいる方々も危険は感じていてもなかなか県外に出る雰囲気じゃないと聞きますね。福島を捨てるのか…みたいな。

野呂 よくわかります。あそこは先祖代々にわたって住んでいる人が多い場所ですからね。でも先祖から受け継がれているものは土地ではなく、私たちの中にあるDNAなんです。そのDNAが放射線によって傷つけられ、子孫を増やしていくという流れが切られてしまうのです。

チェルノブイリも本当に牧歌的なのどかな農村だったので、何年たっても「村に帰りたい」という老人が多いんです。でもそういった人のメンタルにあわせて家族が残ったりすると、ものすごい悲劇が起きるんですよ。若い人から抵抗力が落ちていくので、結局年老いた人が家族全員の面倒をみることになったりするんです。ですから、チェルノブイリではもう自宅に戻れないように埋め立ててしまっています。残酷なようですが、チェルノブイリではそれほどの対策をしたということを、日本人全員が知るべきですね。

 

自然への感謝の心を忘れていた


中西 福島では冷却に大量の海水を使って、それを海に垂れ流していますね。日本は海産物王国だから海水汚染も相当深刻だと思われますが。

野呂 日本が今どのような状況か世界の人は皆知っています。国が「安全」と言えば言うほど風評被害にさらされます。二次災害、三次災害は人間が作るものなのですね。

でもこのような状況を前にして、日本人も反省しなければなりません。昔から日本人は海の神、山の神に感謝して、命というものを自然からいただいていたのです。今、その感謝の気持ちを失い、ご馳ち 走そう三ざん昧まいでお金を出せばなんでも手に入ると思っています。水や土、空気に対しても同じです。大自然はものすごい力を持っていますから、何百年もかけて今回の被害も静かになだめていくと思いますが、人間はその時間に耐えられないのです。

原発に対しても「40年以上働いてくれてありがとう。いい思いをさせていただきました。おやすみなさい」という感謝の気持ちを持って鎮めないと鎮まらないと思いますよ。そもそも地中に埋まっていたウランを掘り起こしたのは人間ですからね。埋まっていることでなんらかのバランスをとってその役割を果たしていた、そのウランを人間が勝手に掘り起こしたのですから、原発を憎むのは間違いですよ。

中西 そうですね。こういう状況であらためて当たり前のようにあった自然を尊く感じます。もう一度地球にいる人間がいままでの生活でいいのか、原点へ立ち返らなくてはいけないことを提示しているような気がします。その中心地にいる私たち日本人に何ができると思いますか?

野呂 日本は広島・長崎の原爆投下や原発関連のさまざまな事故も含めて放射能で苦しんでいる大勢の人たちがいます。「その苦しみの学びをもうそろそろ卒業しましょう」と日本人が世界に訴えていきたいと思います。こういうエネルギーがある限り、権力側が一方的に流す情報を信じるしかないという状況を、いよいよ終わりにしなければいけませんね。

子どものことで不安を抱えているお母さんたちにいつも言っていることですが、自分の子どもだけを救おうとするのではなく、世界中の放射能に苦しんでいる人たちのためにやらないといけない…と。そのためには徹底した安全基準を勝ち取らないといけません。厳しい基準がないと犠牲者の数は増え続けます。そういうことを国に頼ってもどうにもならないことはさんざん見てきていますから、もう既存の政党に頼らないで「全日本母親連盟」みたいなものを作ってね(笑)。これはお母さんたちの最後の聖戦だと思っています。

 

免疫力アップに有効な日本の伝統的食事

中西 野呂さんがチェルノブイリに行くとき気をつけている放射能対策などがあればぜひ教えてください。

野呂 地球は原始のころ宇宙から放射能が降り注いでいましたが、菌が生き物の住める環境に整えてくれたといいますから、EM菌がよりどころになっています。東京あたりでも薄めて家の周りなどに撒き続けるだけでだいぶ違うと思いますよ。EM菌の中でも特に光合成細菌は、他の微生物の力を借りて放射能のエネルギーをいい方向に転換してくれるといいます。実際にチェルノブイリでも使ってみて効果を発揮しました。

中西 菌の力は本当にすごいですね。長岡式酵素玄米も発酵食品として非常にいいものですよ。

野呂 被爆した体にいちばん重要なのが酵素なんですね。DNAを修復するパワーを持っています。日本はお味噌や醤油など世界に誇る発酵食品の文化を持った国ですから、そういうものを活用するといいのです。酵素を摂と り続けることで体のダメージを和らげることができます。

それから果物のペクチンという成分が体内の放射性物質を排出する働きをします。ベラルーシではすでにペクチン製剤として売られていますが、ただ添加物が多いので、私は自宅でりんごから作ることをおすすめします。ペクチンの多い果物として、りんご、バナナ、桃などがあります。先ほど話した酵素と酵素の働きを助けるビタミンやミネラルが完璧に入っているのが果物なんです。ただお腹に別の食べ物が入っていると働きが鈍るので、空腹のときに食べるようにするといいでしょう。そういうものを食べるとき、動物性の消化しにくいものは食べないほうがいいですね。消化に酵素のエネルギーが使われてしまい、免疫のほうに働かなくなってしまいますから。日本のお味噌汁とご飯と漬物といった粗食は免疫力の低下した体にいちばんいいです。日本のすばらしい食文化に気づかないといけませんね。

それから、放射能は水と風で運ばれますから、アスファルトやコンクリートのところは放射能が流れて測定値は低いんですが、土が出ている芝生や街路樹の根元などは高いんです。ということは植物や樹木が放射能を吸い上げて集めてくれているんですね。ですから樹木を植えるという方法もあります。

中西 今回の原発事故はまだ収束していません。不安が続きますが、今日いただいたアドバイスを日々の生活に活用させていただき、心の平安を取り戻したいと思います。ありがとうございました。

(合掌)

前回の対談はこちらをご覧下さい

※ペクチンの作り方については、野呂さんのホームページをご覧ください。
ホームページhttp://www.kakehashi.or.jp/

「いやしの村だより」2011年7月号掲載

このページの先頭へ