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対談:赤星栄志氏×中西研二「麻を利用して持続可能な社会の実現へ」

かつて「アンチ政府」の象徴として使われたマリファナが、最近の研究では素材、医療、燃料、エネルギーなどあらゆる分野で活用できる資源として見直されています。「これほどイメージと内容のギャップが激しいものはない」と笑う赤星さんは、多くの人に麻の良さを広めていくことによって規制を変えていこうと、さまざまな普及活動をしておられます。


麻を利用して持続可能な社会の実現へ

赤星栄志氏×中西研二

赤星栄志(あかほし・よしゆき)●1974(昭和49)年、滋賀県生まれ。日本大学農獣医学部卒。同大学院より博士号(環境科学)取得。現在、NPO法人バイオマス産業社会ネットワーク理事。学生時代から環境・農業・NGOをキーワードに活動を始め、農業法人スタッフ、システムエンジニアを経てさまざまなバイオマス(生物資源)の研究開発事業に従事。現在、NPO法人ヘンプ製品普及協会理事、日本大学大学院総合科学研究科研究員など。主な著書に、『ヘンプ読本』(2006年 築地書館)、『大麻草解体新書』(2011年 明窓出版)など。
【WEBサイト:麻類作物研究センター】http://www.hemp-revo.net/
【大麻草検証委員会】http://www.taimasou.jp/
【ヘンプカープロジェクト】http://www.ooasa.jp/hemp_car/

中西研二(なかにし・けんじ)●1948年東京生まれ。NPO法人『JOYヒーリングの会』理事長。有限会社いやしの村東京代表取締役。ヒーラー。ワンネストレーナー。新聞記者、セールスマンなどさまざまな職業を遍歴の後、1993年に夢の中でヒーリングを伝授され、以来19年間で20万人を超える人々を癒し続けている。また、2004年9月にワンネスユニバーシティでワンネスディクシャという手法を学び、以来、この手法を通して、多くの人々がワンネスの体験を得る手助けをしている。2012年2月には、日本人のワンネスメディテーター6名のうちの一人に選ばれ、以降ますます精力的に活動している。著書に『そのまんまでオッケー!』『悟りってなあに?』『あなたはわたし わたしはあなた』(共にVOICE刊)がある。

海外では医療の分野から解禁の波が…


ヘンプ読本 麻でエコ生活のススメ
築地書館刊

中西 私たちも大麻草については大変興味があります。昔から伝統的な医療としても日本にはなじみのある草ですよね。

赤星 日本では古くから痛み止めや食欲増進に使われていたほか、抗菌・消臭の効果もあるので、高温多湿な日本の風土には綿よりも適しています。

中国の巴馬(バーマ)という地域は「百歳長寿村」と呼ばれています。そこは百歳以上の「超高齢者」と呼ばれる人の人口が、世界有数の地域なのです。さらに驚くことは、お年寄りがみんな元気で寝たきりの老人が一人もいません。その秘密を多くの人が研究しているのですが、食に関して言えば、麻の実をたくさん食べていることが大きな要因だと思われています。

また、「医療大麻」という切り口で解禁の波が世界に広がってきています。

人間の脳内には「内因性カンナビノイド」と呼ばれる天然化合物のマリファナが作られることがわかりました。モルヒネが効かない人や副作用が強くて使えない人にも、医療大麻としてマリファナを使うと抜群に効果があります。安全面でも認められているので、アメリカでもすでに17州で医療大麻として解禁されています。

 

衣食住にわたってトータルに実用可能

中西 麻は資源としても大いに活用できるそうですね。エネルギー問題が深刻化しているいま、大変注目できますね。

赤星 茎からバイオ燃料を抽出する資源としても、麻は成長の早い植物なので、非常に優れていると言えます。私たちは、地下資源に頼らないエネルギーを作り出すことを目標にしています。石油や石炭、ウランからエネルギーを作り出す社会構造は結局大量生産、大量消費に向かい、世界全体が循環していきません。もっと身近なものを燃料や資源に活用することによって、持続可能な社会ができると思っています。

素材としては、いろいろ開発したものがあります。麻とお米で作ったプラスチックとか、団扇(うちわ)やビールなどもあります。建築関係では、家全体のリフォームができるほど多くの素材が開発され、さまざまなところで使われています。麻は、食事から生活空間まで、衣食住にわたってトータルに対応できるのです。

 

普及活動を通して誤解を解消したい

麻で作った団扇を持って…
麻で作った団扇を持って…

中西 お話をうかがっていると良いことずくめなのに、なぜ日本では栽培できないのでしょう。

赤星 麻の栽培は許可制なのですが、よほどの理由がないと許可されないのが現状ですね。しかし、大麻取締法自体、戦後のGHQ(連合国総司令部)の指導の下できた法律で根拠がないのです。

実際どれだけ害があるかと言いますと、薬学の世界ではカフェインと同じ扱いです。塩や砂糖は過剰摂取すると死に至ることもありますが、大麻は心臓と呼吸を司る脳幹の部分に受容体がないので、過剰摂取しても問題はありません。

中西 本によると麻という字がいつの間にか「麻薬」という字に使われてしまったとか。

赤星 麻薬という字は本来「痲薬」と書きます。「痲」という字は病やまいだれで「しびれる」という意味です。痲痺(まひ)という字にも使われますが、そこから痲酔という言葉が生まれ、「痲薬」となったのです。それがいつの間にか「麻薬」と書くようになったので非常に誤解されるようになりました。

しかし、誤解を解かなければなりません。麻の商品の良さが見直されて、より多くの人に使われるようなり、医療の分野でも安全性が認知されていけば、自然と法律も変わっていくのではないかと考えています。

なかなか骨の折れる仕事ですが、やっていて楽しいし、やりがいを感じています。

中西 私たちも、麻が早く解禁されたくさんの人が利用できるような社会になればいいと思っています。

今日はお忙しい中、ありがとうございました。

(合掌)

「いやしの村だより」2013年2月号掲載

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