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対談:前田真吹さん×中西研二「戦争も原発事故も、私たちすべての人の責任なのです」

4月29日、東日本大震災から3年目にあたり、JOYヒーリングの会では緊急講演会を開催しました。講演者は、戦争の真実を伝えようと記録した『魔法の9』の映画制作者であり、この映画のカメラマンでもある前田真吹さんと、長年にわたり放射能汚染の危険性について警告を続けてこられた野呂美加さん。当日は、お二人から貴重なお話を伺うことができました。

東日本大震災から3年
緊急講演会『愛と平和と健康な日々をとりもどそう』
戦争も原発事故も、私たちすべての人の責任なのです

対談:前田真吹さん×中西研二

前田真吹(まえだ・しぶき)●1973年生まれ。2003年、自主映画の撮影スタッフとして、アフガニスタンに初渡航。
現地の過酷な現状を知り、井戸掘り支援等に再訪する。以後、NGOスタッフとして、国内外の緊急支援活動等に携わり、写真や映像で現状を伝えるトークライブ等を開催。
2013年末、日本の憲法改正について考えるための、ドキュメンタリー映画「魔法の9 part1」を完成。
現在は、映画のpart2を製作中。

中西研二(なかにし・けんじ)●1948年東京生まれ。NPO法人『JOYヒーリングの会』理事長。有限会社いやしの村東京代表取締役。ヒーラー。ワンネスメディテーター。新聞記者、セールスマンなどさまざまな職業を遍歴の後、1993年に夢の中でヒーリングを伝授され、以来20年間で20万人を超える人々を癒し続けている。また、2004年9月にワンネスユニバーシティでワンネスディクシャという手法を学び、以来、この手法を通して、多くの人々がワンネスの体験を得る手助けをしている。2012年2月には、日本人のワンネスメディテーター6名(現在は7名)のうちの一人に選ばれ、以降ますます精力的に活動している。著書に『そのまんまでオッケー!』『悟りってなあに?』『あなたはわたし わたしはあなた』(共にVOICE刊)がある。

戦争被害者の多くは一般市民

中西 『魔法の9』を鑑賞させていただきました。本当に素晴らしい映画で、まず感謝の拍手をしたいと思います。実際戦場となったニューギニアに行ってみてどうでしたか?

前田 まず、ニューギニアに行くまでの経緯をお話しさせていただきます。私が映画を撮るきっかけとなったのは、アフガニスタンに行ったことです。罪のない市民が命を落としたり、過酷な生活を余儀なくされている事実を知り、たいへんショックを受けました。そういった経緯から「戦争って一体何だろう?」と考え始め、今までの自分の無関心さを反省しました。

学生時代、歴史の授業で近代史の部分は教えられなかったこともあり、自分の国で起こった戦争についても、あまり知らずにいました。映画制作にあたり、過去の戦争の資料を読み漁り、実際に戦場に行かれた元日本兵の方々にお会いして何度もお話を伺いました。が、皆さん辛い体験をされていることもあり、口も重く、戦争の深いところまでお話しいただくことは、難しい傾向がありました。そんな時に、日本兵のご遺骨がまだ野ざらしになっていて、その捜索をしている方々がいらっしゃると知り、会ってお話を伺う内に、自分の目で現状を確かめたい、という思いに駆られました。

中西 実際、ニューギニアで遺骨を見つけたときは、やはり想像以上の感情でしたか?

前田 約70年近く放置された、遺骸の無残な姿に、ただただ胸が締めつけられました。カメラを回している時は常に気を張っているので大丈夫ですが、いったんカメラを置くと、涙が止まりません。うまく言葉にできないのですが、かつて日本兵約18 万人が命を落としたといわれる現地には、辛く悲しい感情の塊のようなものが空気中に今も漂っている…そんな奇妙な感覚を覚えました。

中西 そうですか。『里の秋』という唱歌がありますが、あの歌は戦争に行ったお父さんを偲んだ歌だということを、今回この映画で初めて知りました。そういえば「母さんとただ二人〜」という歌詞で、どうして二人なんだろうと思っていました。

前田 日本では、過去に多くの男性が徴兵され、帰らぬ人となりました。戦後はお父さんがいない家庭が、たくさんあったといいます。私はそれまで『里の秋』を聴いたことがなかったのですが、戦争で父親を亡くされたご遺族たちが、泣きながら歌っておられるのを聞いて、はっとさせられました。

中西 そういう意味で、戦争の悲劇を短い歌詞の中に凝縮させた歌ですよね。意味がわかって今日改めて、感動しました。映画の中に出てこられた飯田進氏ですが、実は私が20代の頃からの知り合いなんです。彼は大変な苦労をされた方で、映画の通り、本当に素敵な方です。彼は当時からこう言っていました。「戦争に英雄なんていない。野たれ死にさせられるだけだ」と。だから靖国神社に英霊として祀まつることでケリがついたと思うなよ、という思いが彼らの中にあるのですね。それらの思いが映画の中でとてもよく現れていました。

 

戦争から、真の豊かさは生まれない

中西 いま集団的自衛権の行使容認の問題が出てきて、議会の承認を得る前に海外派遣ができる法律を作ろうとする動きまでありますね。ここへきて急展開の状況をどう思いますか?

前田 急展開しているように見えますが、実際この問題は、日本でずっと議論されてきた重要な問題です。私は数年前からこのことを講演してきました。例えば、アフガニスタンではもう10年以上、アメリカをはじめとする、数10カ国の軍隊が駐留し続けています。これを指揮しているNATOは、アメリカに対する「集団的自衛権」の名のもとに、こういった活動を行っています。実際には、これらの軍隊が行う「治安維持活動」によって、アフガニスタンの罪のない市民が空爆等で命を落とす事件が多発し、問題になっています。日本も、まだ兵力は送っていませんが、アメリカの軍事作戦に洋上給油等で、協力してきています。アフガニスタンという国は、歴史上さまざまな戦争や内戦に巻き込まれてきたことから、貧困や干ばつ等の問題も抱え、一般の市民たちは本当に困難な生活を余儀なくされている現実があります。こういった市民を助けるためにできることとは、本当に「集団的自衛権の名のもとの軍事活動」なのか? 今の日本の動きも含めて、疑ってみる必要があると思います。

アフガニスタンに関する報道も減っている傾向ですが、「こういった貧しい国々のことは、豊かな国の私たちには関係ない」のでしょうか? 豊かな国であるということ自体、ある種の責任が内包されているのではないか? と私は感じています。例えば、日本は敗戦後に復興して、世界第2位の経済大国になりました。これは、数えきれない多くの諸先輩方の、血のにじむような努力の積み重ねなしには、到底成し遂げられなかった偉業であり、私もその恩恵を受けてきた一人として、大変感謝しています。それをふまえた上で、少し観点を変えて、経済学的見地から日本の戦後復興の流れを見た場合、一番の引き金となったのが、朝鮮戦争とベトナム戦争の特需であったことが分析できます。当時の日本の新聞には、アメリカの戦争の兵站(へいたん)基地として産業が稼働し、好景気を迎えた描写が見られます。日本はそこから経済大国への道を突き進んだわけですが、海の向こうでは、この戦争で多くの人々が命を落としています。こう見ると戦争と経済の流れは、無関係ではないですし、改めて一人ひとりが「経済って何だろう? 豊かさって何だろう?」と、真摯に考えることが、戦争の惨禍を繰り返さないために大切なのではないか、と思います。

中西 まったくその通りです。そういう意味では、日本は完全に戦争に加担している国ですね。それに対して国民は声を上げない。繁栄しているんだから、これでいいじゃないか…と。放射能問題の野呂さんのお話にも共通していますが、雇用が生まれるからという理由で市民が原発の再稼働を希望している地域があります。自分たちが豊かになるというただそのためだけです。人間として何が大切かということを考えた場合、今は大切なものが人の命ではなく、経済なのですね。それがずっと続いてきていて、多くの人の価値観がおかしくなってしまっているのです。

前田 そういった経済優先の世の中のシステムを、私自身も含めて、市民一人ひとりが支えてしまっている現状があると思います。今起こっていることを正確に知り、おかしいな、と思うことに声をあげていくことが大事だと思います。

中西 そうですね。一人ひとりが自分の責任として肝に銘じなければなりませんね。今日はありがとうございました。

(合掌)

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上映料金上観客数×800円 (31名までは、一律25,000円)

◆ストーリー◆
2003年に、偶然訪問したアフガニスタン。私がそこで出会ったのは、濁った水を飲む避難民テントの子どもたちだった。過酷な戦場で生きる彼らを守るために、いま自身にできることは何なのか? そう考え始めたことが、この映画制作のきっかけだった。無知でのん気な、ただの「戦争を知らない世代」の一人だった私は、日本が戦争を繰り返していた時代を知るべく、旅に出た。戦争とは! いのちとは!…そして、憲法とは…!? 過去から未来に祈りをこめた、ドキュメンタリー・ロード・ムービー!

【ホームページ】http://movie-mahouno9.blogspot.jp/
【メール】info_mahouno9@yahoo.co.jp 担当:前田

「いやしの村だより」2014年6月号掲載

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