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対談:神武夏子×中西研二「神様をもう一度思い出してつながっていきましょう」

近江神宮の宮司であった祖父を持ち、さらに嫁ぎ先の神武家は、十五代応神天皇が産まれた九州・宇美八幡の社家の筆頭だったといわれる家柄の神武さん。宿命であるかのような古事記との縁で、日本人に神々とのつながりを伝えようと古事記に音楽をつけたCDは、超古代の神々の世界を再現されているかのように澄んでいて、心洗われる。古事記に触れてみませんか?

『古事記を奏でるCDブック』発売記念
「神様をもう一度思い出してつながっていきましょう」

対談:神武夏子さん×中西研二

神武夏子(こうたけ・なつこ)●武蔵野音楽大学音楽学部ピアノ科卒業。フランス留学後、エリック・サティと「フランス6人組」の音楽を、リサイタルを中心に、サロン・コンサート、NHK−FM「名曲リサイタル」出演など、さまざまなかたちで紹介している。また、詩人藤富保男氏とピアノと詩の朗読による「詩を奏でる」を各地で公演。2012年以降、「古事記」をテーマにして、音楽と語りによる独自の世界を企画・プロデュースし、自ら表現する活動をしている。2002年、CD「cafe des six」、2006年、CD「cafe Poulenc」を発表。

中西研二(なかにし・けんじ)●1948年東京生まれ。NPO法人『JOYヒーリングの会』理事長。有限会社いやしの村東京代表取締役。新聞記者、セールスマンなどさまざまな職業を遍歴の後、1993年に夢の中でヒーリングを伝授され、以来23年間で21万人を超える人々を癒し続けている。また、2004年9月にワンネスユニバーシティでワンネスディクシャという手法を学び、以来、この手法を通して、多くの人々がワンネスの体験を得る手助けをしている。2012年2月には、日本人のワンネスメディテーター6名(現在は8名)のうちの一人に選ばれ、以降ますます精力的に活動している。
長年のヒーリング活動が評価され、2015年に『東久邇宮記念賞』を、同年『東久邇宮文化褒賞』を受賞
著書に『そのまんまでオッケー!』『悟りってなあに?』『あなたはわたし わたしはあなた』(共にVOICE刊)がある。

わくわく楽しんでいると、音楽が降りてくる

中西 神武(こうたけ)さんの『古事記を奏でるCDブック』、素晴らしいですね。楽器と歌、語りで構成されたCDを添付するという珍しい試みですが、誰でもやさしく古事記に親しめますね。どうしてこういう構成を思いつかれたのですか?

『古事記を奏でる CDブック』
『古事記を奏でる CDブック』
ナチュラルスピリット/刊
神武 夏子/著・作曲・ピアノ演奏・語り・歌

神武 私はもともとクラシックのピアノをやっていました。音楽は「音を楽しむ」と書きますね。ところが、私はコンサートの前になるとどうしても失敗したくないという気持ちが不安と緊張を生み、音楽を楽しめなくなっていました。そして、「失敗」と「成功」の二元に振られている自分が嫌になってしまったのです。

その頃、東日本大震災が発生し、いろいろなことを考えさせてくれるきっかけになりました。ケビンが言われるように「良い」「悪い」とか、「失敗」「成功」ではなくて、音楽の楽しさを人に伝えられるようなことをしたいと思うようになったのです。それにはまず、自分が音楽を楽しんでいなくてはなりません。2012年は古事記編纂から1300年という年でした。私の祖父は近江神宮の宮司でしたから、私にとって神社は、とても身近にある精神的な支柱でした。そんな環境の中、1300年という節目に古事記を思い起こし、「これだ!」とピンときたのです。古事記を自分なりにアレンジして、自分の好きな音楽を通して伝えていこうと思ったのです。

中西 なるほど。既存の何かをアレンジしたものではないのですね?

神武 はい。コンサートではまず古事記を語り、それにインスピレーションで降りてきた音楽をジョイントさせています。コンサートのダイジェスト版をCDにして、本に添付したのです。今まで自分で作曲することはありませんでした。しかも、自分は音痴なのに歌まで歌うことになり、思いもよらぬことが起こったのです。

中西 何か別の意志によってやらされているという感じなのですか?

神武 もちろん自分の意志でやっていますが、私の専門のクラシック音楽は再現芸術ですから、ベートーベンやモーツァルトなど昔作られた音楽を再現しているわけです。だから最低限、楽譜通りに演奏しなければなりません。でも、私は自分で自由に曲を作って自由に演奏するのが楽しいのです。もちろん生みの苦しみというのはありますが、そうやって自分が楽しくわくわくしているとなんとなく音が降りてきて、音と私が巡り合うのです。ケビンのお話にもありましたけど、自分が音楽を楽しんでいなければ、聴いてくれる方も楽しめないですからね。それに気づくまでは、苦しい時期が続きました。

 

太古の昔から、日本人は神と共にある

中西 そういう苦しい体験を味わえなければ、今のような気持ちになれませんからね。

しかし、古事記は口語訳だけでも膨大にありますから、どれが正しい意味を伝えているのかわからないということがありますね。

神武 そうですね。古事記は日本最古の歴史書と言われていますけど、日本人にとって、神道による宗教的、精神的影響は長い歴史の中でずっと続いていました。不幸なことに、戦後、古事記の本質的な意味を曲げられて今まできているので、実は取り上げるのに迷いました。微妙なテーマですし、思想的な側面からの圧力もありましたから。でも日本人として、これだけは伝えたいと思っていることがあります。「カムナガラ(神の御心のままに)」ということです。日本人の感性として、森羅万象すべてのものに八百万(やおよろず)の神様が宿っていて、人間は常に神様と共にあり、自然と共にあるというのが太古の昔からの日本人の精神性だと思います。天照大神から授かった稲作づくりが日本人のあり方の基本にありますから、私たちは一年を通して五穀豊穣祈願祭や新嘗祭(にいなめさい)など、祭りによって神に感謝し、自然と共にあることを共感するのです。そこに「カムナガラ(神の御心のままに)」「神様とともに」という思想があると思います。あの東日本大震災の後、日本人はもう一度そういう感性を取り戻すことが必要ではないかという思いがありました。

中西 そうですか。私も、「先祖を解放しないから、今の私たちが苦しむのだ」と強く感じていますから、「先祖解放のためのディクシャ会」をやっています。今まではヒンドゥー教のやり方でセミナーをしていましたが、もっと日本人の感性に沿ったやり方があるのではないかと思っていたのです。

昨年から中国でセミナーをやっているのですが、中国の人にもいろいろ悩みがあり、私のセミナーも大盛況です。彼らを日本に呼んで、皆生温泉近くで先祖解放の儀式をやったときに、ピンと「雅楽だ!」とインスピレーションがきました。それで雅楽と真言密教のマントラを組み合わせて、徹底的に日本的な音楽を作りだしたのです。

神武 素晴らしい!

中西 それで日の出の太陽の写真を見ながらその音楽を聞き、礼拝します。中国人にも全然抵抗はありませんでした。

神武 もともと雅楽は大陸から来ているものですからね。

中西 マントラも訳すと難しくなるので、「我神なり」と言っています。これでものすごい先祖解放ができます。今度は中国本土で、中国古来の音楽でやろうと思っています。

 

本当にやりたいことをすることで、奇跡は起こる

『古事記を奏でる CDブック』

中西 太古の昔から日本人が持っている「神と共にある意識」がここにきて途切れそうなので、それをずっと絶やさず持っていてほしいと願う私の思いが、神武さんの古事記に対する思いと同じ匂いだと感じたのです。

神武 そうですか。カムナガラ、私たちの心の奥深いところに常に宿っている神の御心と、もっともっとつながりましょうよ、ということを伝えたいですね。

中西 そこが一番のポイントですよね。

神武 私の中では、西洋音楽と日本古来のものが常に一緒に存在してきたので、その融合が私の役割だと思うようになりました。

中西 できますよ。神様は「あなたにこの役割があるからこの仕事をしなさい」と強制しません。ただ、あなたがやりたいアイディアを出し、それを実行し始めたとき、それに対して全面協力するのが神様です。アイディアを出せば奇跡が起こるのです。あなたの出したあのCDで、実際に奇跡が起きていると思いますよ。あのCDが大きな浄化作用を起こしますよ。

神武 すごい! うれしい。

中西 これからは、奇跡と共に生きる時代になりますよ。今までは1+1=2の世界でした。絶対5になることはありませんでした。だけど、これからは1+1が100にも1000にもなります。聖なる存在が身近にあるということです。古事記を編纂したのも聖なる存在の働きでしょう。カムナガラの存在がそこにあるわけですからね。

神武 そうですね。カムナガラの本質は調和ですから、みんなが調和して丸い円になればいいなという願いがあります。

中西 それには仲が良いことが一番です。それが最も美しい姿です。理屈を超えて、調和することがとても大事です。

神武 神様は愛と豊かさしかこの世界に置いていないはずなのに、受け取る私たちが間違って受け取ってしまっているだけなのでしょうね。でも時代が変わってきていますから、これからますますケビンのような方の活躍が必要になってきますね。

中西 神武さんのこれからのご活躍、楽しみにしています。ありがとうございました。

(合掌)

「いやしの村だより」2016年3月号掲載

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